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不動産売買時の値引き「指値交渉」について深堀り

不動産売買時の値引き「指値交渉」について深堀 スタッフブログ

今回は、不動産売買時の値引き交渉について深堀してみます。

一般的に、不動産取引においては新築住宅・中古住宅に限らず値引き交渉はつきものといっても良いでしょう。
しかし、この値引き交渉のためにせっかくの取引が破談となってしまう場合もあります。
値引き交渉は「指値交渉」といい、主に買い顧客側から申し込まれることが一般的です。

中古住宅の売買における指値交渉は、買主が希望する価格を提示し、売主との間で価格を調整する重要なプロセスです。
以下に、業界の通例や社会常識に基づいた指値交渉の手順を買い手目線から詳しく解説します。

 

Ⅰ 乖離率とは?

 

1.指値交渉の平均的な乖離率
指値交渉における平均的な乖離率は、一般的に売出価格の10%程度が目安とされています。
乖離率は以下の計算式で求められます。


乖離率=(売出価格−指値売出価格)÷売り出し価格×100

 

例えば、売出価格が2000万円の場合、指値を1800万円とすると、

 

乖離率=(2000−1800)÷2000×100=10%となります。

 

このように、指値は売出価格の約10%を目安に設定することが多いですが、物件の状況や市場の動向によって変動します。
実際のところは、居住用の物件が10%の乖離率で成約することは滅多にありません。


2.不動産売買に関して指値は何度でも行ってよいか?
指値交渉は、原則として何度でも行うことが可能です。
ただし、売主との信頼関係を損なわないように注意が必要です。
過度な指値や頻繁な交渉は、売主に不信感を与える可能性があるため、適切なタイミングと理由を持って行うことが重要です。

 

3.指値交渉に入る時期
 指値交渉は、通常、買付証明書を提出するタイミングで行います。この時点で、買主の購入意思を明確に示し、希望価格を提示します。
 買付証明書には、希望金額や購入希望時期などの交渉内容が記載されるため、指値を入れるのが最も効果的です。

①買い付け証明書を申し込む際に指値を入れる場合の買主側として準備すること
 買主が指値を入れる際には、以下の事前準備が不可欠です
・市場調査: 物件の相場や過去の取引事例を調査し、指値の根拠を明確にする。
・購入意思の確認: 購入資金の確保や融資の仮審査を受けていることを確認し、売主に信頼感を与える。
・交渉理由の提示: 指値を入れる理由を明確にし、売主に納得してもらえるように説明することが重要です。

金融機関に仮審査を申し込む前に、指値を入れるべきか、それとも仮審査申し込み後に買い付け証明を入れたほうが良いのか
 一般的には、仮審査を申し込んだ後に買付証明書を提出し、指値を入れることが推奨されます。
 仮審査を通過していることで、売主に対して信頼性を示すことができ、交渉がスムーズに進む可能性が高まります。

 

Ⅱ 指値交渉に失敗した場合の弊害

 指値交渉に失敗した場合、以下のような弊害が考えられます。
・他の買主に契約されるリスク: 指値が受け入れられない場合、他の買主に満額で購入される可能性が高まります。
・信頼関係の損失: 無理な指値を行うことで、売主との信頼関係が損なわれることがあります。

 

1.指値交渉に失敗した場合の具体的な影響
 指値交渉は不動産取引において重要なプロセスですが、交渉が失敗することもあります。
 その場合、以下のような具体的な影響が考えられます。
①取引の破談
  指値交渉が成立しない場合、最も直接的な影響は取引が破談になることです。
  売主が提示された指値を受け入れない場合、買主は他の物件を探さなければならなくなります。
  このような状況は、特に希望する物件が限られている場合に大きなストレスとなります。
②売主との関係悪化
 指値が大幅すぎる場合や、売主の意向を無視した交渉を行った場合、売主との関係が悪化する可能性があります。
 これにより、今後の交渉や取引において不利な立場に立たされることがあります。
 売主は「この買主には売りたくない」と感じることがあり、他の物件でも同様の対応をされるリスクがあります。
③競争の激化
 指値交渉が失敗した場合、他の買主が同じ物件に興味を持っている場合、競争が激化することがあります。
 特に人気のある物件では、他の買主がすぐに購入を決定する可能性が高く、再度交渉を試みる際には不利な状況に置かれることがあります。
④時間の浪費
 指値交渉が失敗した場合、買主は再度物件を探す必要があり、時間を浪費することになります。
 特に、希望する条件に合った物件を見つけるのが難しい場合、長期間にわたって探し続けることになり、精神的な負担が増すことがあります。
⑤経済的影響
 指値交渉が失敗した場合、買主は他の物件を購入する際に、より高い価格を支払わなければならない可能性があります。
 特に市場が上昇傾向にある場合、希望する物件を見つけることができず、結果的に予算を超える支出を強いられることがあります。

 

これらの影響を考慮すると、指値交渉を行う際には慎重なアプローチが求められることがわかりますね。
交渉の際には、売主の意向を尊重し、適切な価格設定を心がけることが重要です。

買主側になんの準備も購入する覚悟もなく「ただ聞いてみただけ。言ってみただけ。」では、交渉破談は確実です。
その後の関係性にも悪い影響を及ぼすことになるでしょう。

 

2.売主が個人の場合と業者売主の場合とで指値交渉はどう違うか?
売主が個人の場合と業者の場合では、指値交渉のアプローチが異なります


①個人売主 :  感情的な要素が強く、売主の事情や希望を理解することが重要です。
        個人の売主は、価格だけでなく、物件への愛着や思い入れがあるため、誠実な対応が求められます。
②業者売主 :  業者はビジネスとして物件を扱っているため、価格交渉に対してより柔軟に対応することが期待されます。
        業者は利益を重視するため、指値交渉が成立しやすい場合があります。

以上のように、指値交渉は不動産取引において重要な役割を果たします。適切な手順と戦略を持って臨むことで、成功率を高めることが重要です。

 

Ⅱ 指値交渉の成功率を高めるための具体的な戦略

それでは、指値交渉を成功させるためにはどうしたらようでしょうか?
指値交渉は不動産取引において重要なプロセスであり、成功させるためにはいくつかの戦略が必要です。
以下に、指値交渉の成功率を高めるための具体的な戦略の一例を示します。

 

1. 指値の根拠を明確に伝える
指値を提示する際には、その価格に至った理由を具体的に説明することが重要です。
例えば、以下のような根拠を示すと良いでしょう

①修繕費用: 物件に必要な修繕やリフォームの見積もりを提示し、その費用を考慮した指値を提案する。
②市場相場: 近隣の類似物件の価格と比較し、相場に基づいた指値であることを示す。
      物件の市場価格や過去の取引価格を調査し、適正な指値を設定することが重要です。
      一般的には、売出価格の5%から10%程度の指値交渉が妥当とされています。
③融資条件: 融資審査の結果、売出価格が融資金額の上限を超えている場合、その旨を伝える。

 

2. 元付けの仲介業者を利用する
指値交渉を行う際は、元付けの仲介業者を通じて交渉することが推奨されます。元付け業者は売主の事情や売却理由を把握しているため、交渉がスムーズに進む可能性が高まります。
また、元付け業者に対して「無理に指値をしなくても良い」と伝えることで、売主との関係を良好に保つことができます。

 

3. 売主の事情を理解する
売主がなぜ物件を売却したいのか、その背景を理解することがとても重要です。
例えば、相続による売却や急な資金需要など、売主の事情に寄り添った交渉を行うことで、指値交渉が成立しやすくなります。
またその反面、売り急いでいない売主に対しては無理に指値申し入れを行っても関係性が悪化する恐れもあります。
売主の立場に立って考えることで、より効果的な交渉が可能になります。

 

4. 交渉のタイミングを見極める
指値交渉は、買付証明書を提出するタイミングで行うのが一般的です。
このタイミングで指値を入れることで、売主に対して真剣な購入意思を示すことができます。
また、契約前の段階で新たなマイナスポイントが見つかった場合にも、価格交渉を行うことが可能です。

①交渉のタイミング  :  売出し開始から長期間売れていない物件や、価格が何度か値下げされている物件は、交渉のチャンスです。
             売主が早急に売りたい場合、指値交渉が通りやすくなります。
②他の買主の状況を把握:  競争が激しい場合、指値交渉は難しくなるため、他の買主の動向を確認し、適切なタイミングで交渉を行うことが重要です。

 

5. 感情に配慮したコミュニケーション
交渉時には、売主の感情に配慮した言葉遣いを心がけることが重要です。
「この価格でなければ買わない」といった強い言葉は避け、売主の意向を尊重する姿勢を示すことで、交渉が円滑に進む可能性が高まります。
誠実なコミュニケーションを心がけましょう。

①理由を明確にする :  指値を提示する際には、なぜその価格なのか具体的な理由を添えることが重要です。
            漠然とした要求は売主に不信感を与える可能性があるため、誠実な態度で交渉に臨むことが求められます。
②信頼関係の構築  :  売主との信頼関係を築くために、購入意思を強く示すことが大切です。
            例えば、住宅ローンの事前審査を通過していることを伝えることで、契約の堅さをアピールできます。

 

6. 指値交渉しやすい物件を選ぶ
指値交渉が成立しやすい物件の特徴を把握し、狙うことも重要です。例えば、売り出してから長期間経過している物件や、相場より高く設定されている物件は、指値交渉が有利に進むことが多いです。
これらの戦略を実践することで、指値交渉の成功率を高めることができます。交渉は相手とのコミュニケーションであるため、誠実さと理解を持って臨むことが大切です。

 

7. 交渉の準備と戦略
具体的な条件を提示: 指値交渉を行う際には、売主が納得しやすい条件を提示することが成功の鍵です。
例えば、物件の状態や市場の状況を考慮した現実的な価格を提示することが求められます。
・柔軟性を持つ: 指値交渉は一度で決まることが少ないため、柔軟に対応し、売主の反応に応じて条件を調整することも重要です。

 

8.専門家の助言を活用
・仲介業者の活用: 不動産仲介業者を通じて交渉を行うことで、専門的な知識や経験を活かし、より有利な条件での交渉が可能になります。
         仲介業者は売主との関係を持っているため、交渉を円滑に進める手助けをしてくれます。

 

これらの戦略を実践することで、指値交渉の成功率を飛躍的に高めることができます。
市場の状況や売主の意向をしっかりと把握し、誠実な態度で交渉に臨むことが重要です。


Ⅲ 買主側が購入後リフォームにかかわる費用を考慮して指値を入れた場合の売主サイドの反発理由と対応策

 

指値交渉において、買主が購入後のリフォーム費用を考慮して価格を下げるよう要求することは一般的ですが、これに対して売主が反発する理由もいくつかあります。


以下にその理由と、売主が取るべき対応策を具体的に示します。

①反面の理由
売主の感情的価値 

売主は物件に対して感情的な価値を持っていることが多く、単なる価格交渉ではなく、思い出や愛着があるため、指値に対して反発を感じることがあります。
市場価値の認識

売主は物件の市場価値を理解しており、リフォーム費用を理由に大幅な値下げを求められると、自分の物件が過小評価されていると感じ反発心を持つことがあります。 特に、物件が良好な状態であれば、売主はその価値を維持したいと考えます。
リフォームの必要性・妥当性の認識

売主が物件の状態(程度)を把握しており、リフォームが必要ないと考えている場合や、過度であると思われた場合、買主の指値要求は不当だと感じます。特に、物件が比較的新しい場合や、最近リフォームを行った場合には、売主は反発する場合があります。   

               

対応策
①感情的価値の理解

売主は買主に対して、物件に対する自分の感情的な価値を説明し、買主にもその価値を理解してもらう努力をするはずです。またこれはとても重要です。

例えば、「この家は私たちの家族の思い出が詰まっている」といった具体的なエピソードを買主も共有することで、理解を得やすくなります。

 

②市場データの提示

売主は、物件の市場価値を示すデータや類似物件の販売価格を提示することで、指値の妥当性を説明することができます。これにより、買主が市場の現実を理解し、納得する可能性は高まります。

 

③リフォームの必要性の説明

売主は、物件の状態を詳細に説明し、最近の点検結果や修繕履歴を示すことで、リフォームが本当に必要かどうかを明確にすることができます。物件の現状を正確に伝え、買主に安心感を与えることもできます。

 

忘れてはならないのは、

購入後のリフォームはあくまでも買主側の理由であって、売主側にその費用負担分を売買価格から差し引く理由はどこにもないということです。

売主は、買主との信頼関係を築くことが大切です。

誠実なコミュニケーションを心がけ、買主の意見を尊重することで、交渉がスムーズに進む可能性を高めましょう。
これらの理由と対応策を考慮することで、売主は指値交渉において反発を和らげ、より円滑な取引を実現することができるでしょう。


Ⅳ 指値交渉において売主と良好な信頼関係を築くには

指値交渉において、売主との良好な信頼関係を築くことは、成功する交渉の鍵となります。
以下に、信頼関係を構築するための具体的な方法を示します。

①コミュニケーションの重要性
・オープンな対話

売主とのコミュニケーションを密にし、オープンな対話を心がけることが重要です。売主の意向や物件に対する思いを理解することで、信頼を得やすくなります。
・ヒアリングの実施

売主の事情や背景をしっかりとヒアリングすることで、相手の立場を理解し、適切な提案ができるようになります。これにより、売主は自分の意見が尊重されていると感じ、信頼感が高まります。

 

② 誠実な態度
・正直な姿勢

交渉においては、誠実さが非常に重要です。自分の希望や条件を正直に伝えることで、売主も安心して交渉に応じやすくなります。
・感謝の意を示す

売主が交渉に応じてくれた際には、感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。小さなことでも感謝を示すことで、信頼関係が深まります。

 

③ 交渉のタイミングと方法

適切なタイミングでの提案を行いましょう。 指値交渉は、売主が売却を急いでいる場合や、物件が長期間売れ残っている場合に行うと効果的です。 このような状況では、売主も価格交渉に応じやすくなります。

 

④具体的な根拠を持つ

 提案する価格には、具体的な根拠を示すことが重要です。市場価格や物件の状態に基づいた理由を説明することで、売主は納得しやすくなります。

 

⑤仲介業者との連携

仲介業者を通じて信頼関係を築くことも有効です。業者が信頼できると感じることで、売主も安心して交渉に応じることができます。

 

⑥競争を避ける 

相対取引を目指します。 他の購入希望者が少ない状況を作り出すことで、売主との交渉がスムーズになります。 競争が激しいと、売主は強気になりがちですので、早めに購入申込書(買付証明書)を提出することが効果的です。


これらのポイントを意識することで、指値交渉において売主との良好な信頼関係を築き、成功する可能性を高めることができます。
信頼関係は、交渉を円滑に進めるための基盤となるため、丁寧な対応を心がけましょう。


最後に・・・
不動産購入においてはどの場合にも「指値(値引き)」交渉を入れる際は、買主側もその金額になったら必ず購入する。といった意思表示は不可欠です。
ただ単に、「いくらまで、まかりますか?」「じゃ~その金額で考えます。」ではその後の取引はおろかあなたの人格まで疑われてしまいます。
通常お店でものを買うときには、ごくごく普通にやり取るされる会話かもしれませんが、こと不動産取引においては数千万円の高額な費用と財産権を移転させるという大きな取引です。
あらかじめこれらの知識を理解し、「不動産取引の常識」の範囲での指値交渉に臨まれることおすすめします。

 

 

 

 

 

 

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株式会社陸自不動産

代表取締役 小松野美貴哉